Licence/jp

管理人の声明文

オープンソースのための「正しい」ライセンスについての議論がインターネットのかなりのバンド幅をを占めてきたことは承知していますが、ここでもFreeCADがそのひとつを採用すべきである理由について、私の意見を述べます。

私はこのプロジェクトのためにLGPLを選びました。LGPLの短所と長所は分かっていますので、その理由を説明したいと思います。

FreeCADはライブラリとアプリケーションの混合物なのでGPLでは少々強すぎます。GPLだと、FreeCADの基盤ライブラリとのリンクを妨げてしまうため、FreeCADの商用モジュールが作成できなくなります。何故商用モジュールなのだろうと思われるかもしれません。これはLinuxが良い例です。もしGNU CライブラリがGPLで、非GPLのアプリケーションにリンクできなかったとしたら、Linuxはこれほど成功したでしょうか?私はLinuxの自由さが大好きです、けれども同時にNVIDIAの最高の3Dグラフィックドライバを使用できるようにして欲しいとも思っています。NVIDIAがドライバのコードの公開を望まない理由もよく分かりますし納得しています。私たちは企業のために働いており、報酬や少なくとも糧が必要なのです。だから私にとって、オープンソースとクローズドソースソフトウェアとの共存は、LGPLの規則に従っている限りは、悪いことではありません。私は、誰かがFreeCADのためのCATIAのインポート・エクスポートプロセッサを書き、それを無料や有料で配布するのを見たいのです。彼が望む以上の公開を強制したくはありません。それは彼のためにもFreeCADのためにも良いことにはならないでしょう。

とはいえ、この決定はFreeCADのコアシステムにのみ行われるものです。アプリケーションモジュールの作者は、自分自身でそのライセンスを決定できます。

使用ライセンス

FreeCADは以下のライセンスに従って公開されています:

Lesser General Public Licence (LGPL2+)
コアライブラリのライセンスです。src/App、src/Gui、sui/Baseに含まれる.hと.cppと記載されたファイル、src/Modに含まれるほとんどのモジュール、実行プログラムのためのsrc/main内の.hと.cppと記載されたファイルが該当します。またアイコンと画像もLGPLです。
Open Publication License
http://free-cad.sourceforge.net/ 上の、作成者の特別な表記がないドキュメントのライセンスです。

FreeCADが使用しているライセンスの詳細についてはDebian著作権ファイルを参照してください。

ライセンス上の副作用

バージョン0.13までのところ、そのソース自体にはLGPL2+ライセンスが適用されるもののFreeCADはGPL2+ライセンスで配布されています。これはCoin3D(GPL2)とPyQt(GPL)をリンクしているためです。しかし0.14からは完全にGPLライセンスから自由になれる予定です。PyQtはPySideに置き換えられる予定であり、Coin3DはBSDライセンスで再ライセンスされました。ライセンス上の残る問題はOCTPL (Open CASCADE Technology Public License)だけです。いくつかの違いはありますがこれはほとんどLGPLと同じライセンスです。創始者のRoman Lyginが彼のブログでこのライセンスについて詳しく述べています。独自に作成されたOCTPLライセンスはFreeCADに対してさまざまな副作用を引き起こしており、これについてはOpenCasCadeフォーラムなどさまざまなフォーラムやメーリングリストで幅広い議論が行われています。その中でも最も大きな問題に関しての記事をいくつか紹介しておきます。

GPL2/GPL3/OCTLPは非互換

私たちが最初に問題に気がついたのはFSFの最重要プロジェクトディスカッションリストによってです。それは私たちが調査していたGPL3でライセンスされているライブラリについてのものでした。当時はGPL2のみのCoin3Dをリンクしていたのでそのライブラリを採用することはできませんでした。またOCTPLもGPL非互換であると考えられています。このLibreGraphicsWorldの記事"LibreDWG drama: the end or the new beginning?"ではLibreDWGプロジェクトがFreeCADやLibreCADで受け入れられなかった事の顛末を紹介しています。

Debian

OCTPLの非互換性についてはDebianの法問題リストで議論され、それがFreeCADパッケージについてのバグレポートを招きました。これはDebianテスト版からメインディストリビューションへの移行を妨げるもの(ignore-tag)です。しかしGPLコードとライブラリから解放されたFreeCADは受け入れられるはずであることも付け加えておきましょう。再ライセンスされたCoin3D V4とPyQtの置き換えによって0.14のリリースではGPLフリーに到達することでしょう。

Fedora/RedHatでの不自由

FedoraプロジェクトではOpenCasCadeは"不自由(非フリー)"のリストに入れられています。つまり基本的にはFedora、RedHatに取り入れられることはありません。またこれはOCCがそのライセンスを変えるまではFreeCADがFedora、RedHatに取り入れられることはないということです。このライセンスに対する評定をリンクしておきます:

私の理解では主な障害は有償サポートを行いたいと思った場合にOCCライセンスが非差別的なサポート料金を要求しているということです。これは "フリー"であることやオープンソースとは関係なく、RedHatのビジネスモデルでの問題なのです!

ライセンスの影響

個人ユーザー

個人ユーザーは無料でFreeCADを使用できます。基本的にはしたいことが何でもできるはずです....

職業的ユーザー

個人的、職業的を問わずどのような仕事のためでも自由にFreeCADを使うことができます。アプリケーションは好きなようにカスタマイズ可能です。オープン、クローズドを問わず、FreeCADの拡張ソースを作成することができます。作成者は常にそのデータの主人であり、FreeCADの更新や使用方法の変更を強要されることはありません。FreeCADの使用によって、いかなる種類の契約や義務を負うことはありません。

オープンソースの開発者

特別な目的のための独自拡張モジュールの土台としてFreeCADを使用することができます。開発者は、独占的なソフトウェアに対する自分の成果の使用許可を、GPLとLGPLから選択することができます。

商用開発者

商用開発者は、特別な目的のための独自拡張モジュールの土台としてFreeCADを使用することができ、そのモジュールのオープンソース化を強要されることはありません。開発者はLGPLを使用するすべてのモジュールを使用することができます。また自分の独占的なソフトウェアと一緒にFreeCADを配布することが許されます。一方通行ではないかぎり、開発者は原作者達からのサポートを得られるでしょう。


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